璧を完うす(へきをまっとうす) 別館

日本人の良き精神、大和魂という璧(宝物)を損なうことなく次の世代へ完うしたい!そんな願いを込めたブログです。

原発停止「歴史が評価」という菅

菅首相「評価は歴史の中で」 浜岡原発停止要請で 朝日新聞  菅直人首相は13日の参院予算委員会答弁で、浜岡原発の全原子炉停止を中部電力に要請したことについて「私の政治的な判断、(海江田万里経済産業大臣を含めた政治判断で、評価は歴史の中で判断してほしい。国民の安全と安心のための決断だ」と述べた。 以下略

以上引用終わり >評価は歴史の中で判断してほしい。 かつてこれと同じようなことを言った政治家がいた。 第56・57代内閣総理大臣 岸信介である。 俗に60年安保と言われる日米安保条約を調印・批准するに際し、猛烈な反対運動(安保闘争)が起こり、首相官邸は13万とも33万とも言われるデモ隊に取り囲まれる。 その世論におされ、首相経験者3人(東久邇宮稔彦王片山哲石橋湛山)も岸に辞職勧告をする。 デモ隊と機動隊、右翼の衝突の中、東大の樺美智子さんが圧死するなど、ますます岸にとって逆風が吹き、自衛隊防衛庁長官の治安出動を拒否するという事態まで起こり、デモ隊が官邸に突入することも時間の問題と思われた。 官邸で実弟の佐藤栄作と死をも覚悟した岸だが、安保の撤回や修正は頑として受け付けなかった。 喧騒に包まれながら、参議院に送られずに安保条約は自然成立、そして批准された。 その批准の日、岸は「私のやったことは歴史が判断してくれる」と述べ、混乱の責任をとってその場で辞意を表明した。 辞任直前には暴漢に襲われ、瀕死の重傷を負っている。 岸には日米安保が日本のためになる、という確固たる見通しと信念があった。 だからどんな逆風にさらされようとも、揺らぐことはなかった。 そういう人が言う 「私のやったことは歴史が判断してくれる」 という言葉は重い。 実際、日米安保はこの後の日本の繁栄の礎となった。 かたやどちらかと言えば世論に迎合し、確固たる将来への見通しもなく、同じところは逆風にあっていることくらいか、しかしその逆風も岸の比ではない。 そういう人が言う 「評価は歴史の中で判断してほしい」 という言葉は軽い。 世論はどちらかと言えば賛成だろう。 歴史に評価を求める必要はないのである。 堂々と己の信念と判断の根拠を述べればいい。 それができないからこんなことをいうのだ。 中電に下駄を預けた次は歴史に下駄を預けるのか? 岸は逃げなかったが、菅は逃げているだけだ。 何年後になるかわからないが、本当の意味で、この判断の、菅内閣の、歴史の評価が定まるだろう。 暗黒の2011年、平成の壊国と。 人気ブログランキングへ 人気ブログランキングへ