静岡県知事選挙
今日は静岡県知事選挙の投票日だ。
静岡県に在住する私も投票を済ませてきた。
来る衆議院選挙にも影響を与える選挙ということでか、投票場はそれなりに混んでいたような気がする。
今回の選択は非常に迷った。
私は純粋な無党派なので、政党で投票することはない。参考にはするが。
これを決定するには前知事石川嘉延氏の県政を振り返る必要がまずあると思われた。
石川前知事は自治官僚からの転身で知事になった。
官僚出身者がすべてそうとは言わないが、官僚というのは事実上大きな権限と決定権を握っていながら、責任を問われることが少ない。
よって、官僚から政治家になると責任を回避することに腐心する傾向があるように思う。
石川前知事も土壇場で逃げ出す癖があった。
２００１年の知事選挙のとき、静岡空港問題が大きく取り上げられるようになり、県民の関心も高まってきていた。
世論調査でもやや反対派が優勢になってきていた。
これまでの選挙では与野党相乗りで無風選挙しか経験のなかった石川氏だが、空港反対を公約に前参議院の水野誠一氏が立候補するという事態に、にわかに危機感が高まってきたのだろう、こう発表した。
私は空港推進派であるけれど、知事に当選したら県民投票を行い、その結果に従う、と。
この一言が効いたのか、石川氏は水野氏に倍近い票数で圧勝した。
しかし…
肝心の県民投票は県議会に否決され実施されることはなかった。
石川氏も県議会が否定するならしょうがないといった態度で、県民投票は立ち消えとなった。
一見やむを得ないようにもみえるが、この話は初めから石川氏と県議会との間で何らかの密約があったのではないか、と私は疑っている。
ともあれ県民投票を期待した私も含め県民は、意思を示す機会を失った。
静岡空港の立木問題は記憶に新しいところだ。
空港そばの私有地にある立木を伐採しないと開港できないという。
地権者は知事が辞職すれば立木を切るという条件を出した。
この地権者はもともと空港反対派だから、知事を辞めさせたいというより無理難題を吹っ掛けたのだろう。
これに対して知事は辞意を示し、地権者は伐採を了承した。
これは潔いというのではなく、投げ出したと考えるべきだ。
粘り強く交渉して伐採にこぎつけるのが仕事というものだ。
また開港直前のこの時期に辞めるというのは別の憶測を抱かせる。
通常ならば開港後まで任期があったわけだが、その前に辞めるということは、開港後の就航内容について責任を追及されなくなる。
実際に現在、搭乗保障のため税金で補てんしなければならない事態に早くも陥っているし、濃霧で離発着できないことも度々起きている。
いずれも開港前に予想できたことだし、石川前知事もこうなることは分かっていただろう。
その批判の矛先をかわすため、先に辞任という手を打ったのではないか？
石川前知事は元官僚らしく、県庁の組織改革などは手堅くこなしているが、最後まで政治家として責任を持つということができなかったと思うし、責任を持てないやつは政治家ではない。
そういった意味で官僚機構のトップはこなせても、知事の器ではなかったように思う。
そのくせ、西松建設からは献金されていて、その西松は静岡空港にかかわっているという、政治家の悪い癖だけはマスターしていたな（笑）
今回の立候補者は以下の通り。
海野 徹 無所属 元参議院議員（民主党）
川勝 平太 無所属（民主、社民、国民新推薦） 元大学長
平野 定義 共産党
坂本由紀子 無所属（自民、公明推薦） 前参議院議員
まず、地方議会に一定勢力持つくらいならともかく、知事ともなると国防にも影響が大きい。
よって共産党は無理。
民主党推薦の川勝氏だが、新しい歴史教科書をつくる会賛同者であり、安倍政権時の“美しい国”プロジェクトのもかかわっている。
こう聞くと保守的な面を持っていそうだが、なぜか民主党推薦？
また、民主党の出馬要請に対して発言が二転三転し、官僚以上に日和見的な学者の一面を発揮している。
石川前知事のブレーンでもあり、漠然としたマニフェストにも魅力を感じなかった。
自民、公明推薦の坂本由紀子氏。
元厚生労働省でそのとき悪名高い「わたしの仕事館」にたずさわっている。
その後、石川知事時代に副知事に出向。
基本的に建設業界を保護し、その支持を得るという旧来型の政治家といっていい。
実際建設業界よりの発言をし、静岡県建設業協会から支援を受けている。
石川知事時代にさんざん見てきた、元官僚のむだな箱物行政はもう結構。
無所属とはいっても元民主党参議院議員の海野徹氏。
なぜか民主党からの候補者一本化要請を蹴って出馬。
このひとはなにしろ選挙に弱い。
参議院選挙、静岡市長選挙とも非常な僅差で落選。
一人で騒いで自民党を離党した渡辺 喜美氏の支援を得ていることが気に食わない。
で、誰も選択肢がないと（笑）
投票しないわけにもいかないので、消去法で、さんざん懲りた官僚体質に対して、脱官僚を挙げる海野氏に入れました。
少し面識もあるし、まあ話しても可も不可もなかったけど。
さあ結果はどうなりますか…
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