京都議定書は地球温暖化を防げるのか?1
いよいよ2008年を迎えた。
あまり知られていないが、今年は“京都議定書”の約束期間が始まる年である。
日本は1997年に議定された“京都議定書”により2008-2012の間に、1990年の水準から6%、温室効果ガスを削減するよう定められた。
今年からより一層「地球を守ろう!」だの「自然と共生」だのと喧伝されるのだろう。
このような生ぬるい欺瞞に満ちたスローガンでは人類は救えない。
人間も自然の一部、人間が動植物を絶滅させようが、海や大気を汚染しようが、それも自然のうちである。
そして、地球は何も困りはしない。
助かりたいのは人類である。極論すれば、他のすべての種が絶滅しても、環境が汚染されても、地球が破壊されたって、人が生き残れるならそれでいいのだ。
テーマは「人類サバイバル」である。地球は関係ない。
話が逸れたが、“京都議定書”には多くの問題点・懸念があると思われる。
まず一つが、排出権が売買できる点だ。
排出権の売買というのは、削減目標以上を達成した国・企業がその差を売りに出し、目標を達成できない国・企業が金銭でそれを買い取ることで自身の削減分とする方法と、
削減目標のない途上国に技術を供与し、削減できる様になった分を買い取り、自身の削減分とする方法がある。(他にもあるが割愛)
排出権を売り買いすると聞くと違和感があるが、温室効果ガス削減に経済原理を導入したもので、一見合理的である。
が、この排出権が市場で株や原油などと同様に売買され、証券会社や投資家なども参入するとなればどうだろう?
2010年には排出権の市場規模は26兆にも達するという予測もあり、にわかに新しい投資商品が登場するような勢いである。
現在の原油価格高騰の投機資金の流入が一因であることは良く知られているが、排出権がそうならないといえるのだろうか?
そもそも排出権を市場で売買しても温室効果ガスが削減されるわけではない。
原油の取引も実際の量を超えて売買されているのと同様に、排出権も本質である温室効果ガスの削減は忘れられ、現実と乖離したマネーゲームに巻き込まれはしないのだろうか?
そして、もし排出権が高騰したとき、もっとも被害を被る国は日本なのである。
排出権もこのように取引されるようになるか つづく
排出権もこのように取引されるようになるか つづく