璧を完うす(へきをまっとうす) 別館

日本人の良き精神、大和魂という璧(宝物)を損なうことなく次の世代へ完うしたい!そんな願いを込めたブログです。

テロと貧困と麻生氏

自民党総裁選が耳目を集めている。 事実上、総理大臣を決める選挙であるが、一般の国民には投票権はない。歯痒い限りだ。 この総裁選で論点のひとつになっているのが、テロ特措法である。 民主党が反対の立場を変えていない現在、法律の延長は厳しい情勢にあるが、この機会にそもそもテロとの戦いというものはどうあるべきか、という本質的議論を期待したい。 テロが許されざる行為であることに異論はない。 ではなぜテロは起きるのか、原因を解決しなければ、世界の不安定要因は取り除かれない。 自分たちの国は明日の食にも事欠くというのに、一方で飽食の国が栄華をほしいままにしているさまを見て、歴史的、宗教的に不当な格差を押しつけられていると感じたら、恨みや憎悪の感情が蓄積していくのもわからないではない。 明治維新後の日本も西欧列強に頭を押さえつけられて、国民の間に鬱積が溜まっていき、日露戦争、太平洋戦争へ繋がっていったのだ。 まず貧困を解決しないことには、テロはなくならない。 貧困をなくすには、国を富まし、最低限の生活が確保できる社会を実現するしかない。 その方策はこれまでの歴史から見て、民主主義、基本的人権市場経済を導入することが、唯一の方法だ。 民主主義や基本的人権は貧困とは関係ないようだが、これらがない状態で経済だけ発展しても富の配分が偏り、貧困が解決されない。 テロの震源となっている国々は インドネシア・インド・パキスタンアフガニスタン・イラン・イラク、そして中央アジアでは紛争が発生している。 これらの国々から貧困をなくし、人権が尊重されるようになればおのずと世界は安定する。 世界秩序の安定が、貿易立国日本には何より必要だ。 先人たちの真摯な振る舞いによって、日本人はこれらの国々の人々にも好感を持たれている。ヨーロッパにもアメリカにもできない、世界への貢献が日本には可能ではないだろうか。 話を総裁選に戻すと、麻生氏は自由と繁栄の弧という外交理念をもち、外務大臣として推進してきた。 こちらに麻生氏のスピーチがあるので、読んでほしい。 http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/enzetsu/18/easo_1130.html 日本からカンボジアラオスベトナムのCLV諸国、ASEAN諸国、南アジアを経て中近東、中央アジア、トルコ、東欧、バルト三国まで、ユーラシア大陸の外縁をぐるりと弧のように取り囲む地域に自由と繁栄をもたらすため、日本がその伴走者としてともに努力しよう、という遠大な理念である。 この弧のエリアには、テロの震源地と目される国が全て入っている。 とかく不祥事ばかりが報道されてきた外務省だが、地道に着々とこの理念の実現に向けて手を打っている。こちらのほうはまったくといっていいほど報道されていないが… またこの理念には、裏の目的として、中国、ロシア対策も含まれていよう。 多少大風呂敷な感もあるが、理念とはそういうもの。日本がそして日本の政治家がこのような世界規模の外交理念を語るのは初めてではないだろうか。 継続的な外交施策を期待したい。 かたや福田氏、彼には理念はあるのだろうか…