トータルコストはあなたしだい
100円ショップにいくと、これが100円!と驚くようなものが置いてある。
物の値段にはその商品の原材料費、経費、人件費、メーカーの利益、流通業者の利益、お店の利益、物流費が少なくともかかるわけですが、それらを全部ひっくるめて100円なのです。
これは凄いことです。大体物流費だけを考えても、メーカーからお店に送るのに、1ケースうん百円はかかるんですよ。1ケースに100個入るものだったら1/100になりますけども、そんなものばかりでもないですしね。
以前は価格破壊ともよばれ、その驚きの低価格が、消費者の心理をつかんだわけです。
しかし、ものには適正な価値というものがあって、それを異常に下回っているものには何か問題が潜んでいると考えたほうがいいです。
費用のなにかが異常に安上がりだから、その安さが実現できているのです。
原材料が異常に安上がりだから、→ ミートホープ社の牛肉偽装事件
経費、人件費が異常に安上がりだから、 → 中国産品の問題
消費者の安さばかりを求める心が、今日の問題を起こしたともいえるのです。
経済の原則からいえば、消費が安いほうに流れるのは当たり前かもしれません。
では、今あなたが行っている行動が無駄な経費を発生させ、余計なしわ寄せが引き起こし、問題の遠因となっているとしたらどうですか?
賞味期限の新しいものを買うために、棚の奥から無理に取り出して買うのが賢い主婦などと言われていますが、その行為で売れ残ったものは、廃棄されるのですよ。対価すら払われずに。当然コストに織り込まれています。
見た目のきれいな野菜、虫のついていない野菜を欲しがるから、農薬を大量に散布しなければならないとしたら。
色のいいハムやソーセージを選んで買っているとしたら、それは発色剤使用を奨励しているようなもの。
地元のものがあるのに、遠くの産地の商品をわざわざ求めているとしたら、それだけの物流コストがかかるということです。
自分の生活はもちろん大切ですが、全ての循環を考えたトータルな視点も、人口増、資源減の世界の中で、必要になってきます。
あなたの行動は、世界と連動しているのです。